お久しぶりです

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     ずいぶん、久しぶりになってしまいました。

     

     ずっと小説を書いていました。六月三十日に、書き上げたのを、さきがけ文学賞という賞に応募しました。

     

     締め切りに間に合わせようと、大急ぎで書いたために、かなり尻すぼんでしまいました。が、締め切りがあると、ともかくも書き上げたぞ! という、達成感はたしかに得られます。今まであまり感じてきてこなかった種類の感情でした。

     

     百二十枚ほどの作品になりました。今回は、前に書いたと思いますが、小説執筆術を参考書を読んで勉強して、かなり綿密に構成を立てました。原稿用紙裏表に四十枚ほど、ミミズの這うみたいな字で書き込んで、やりすぎかな、と思ったけれども、書いてみたら、それでもやっぱり足りない。足りないというよりは、構想の段階で細かいところまで考えすぎて、全体がおろそかになってしまい、間に合わないと焦った時に、そうだこう考えていたのだ、と思い出して気持ちを立て直すような、そういう一本筋の通ったアウトラインにはなっていなかったのが、問題だったようでした。最後の方は、どうしよう、どうしようと右往左往して、床については起き上がってを繰り返して、自分をだましだましエイヤと書いてしまいました。

     

     中盤までは、まだ読めるものになったと思うのだけれども、後半から、ガタガタと崩れてしまいました。はじめの構成、アウトライン、小説の全体図が、あるところは詳しく書いているのに、あるところはデタラメに書いたりして、偏りがあった、これが一番の問題だったと、反省しています。次に、活かしたい。

     

     賞はダメだろうから、十一月の文学フリマまでに、後半を書き直し、小さめの本に出来ればいいなと考えています。

     

     反省点が、いろいろ出て来ました。

     

     本当に、ギリギリまで、やらない。もともとこの作品は、オール讀物新人賞という賞に応募するつもりでした。が、締め切りの六月二十日に間に合いそうになく、第二候補だったさきがけ文学賞に応募先を急遽変えたのでした。

     

     締め切りが延びると、時間が出来たと存分にサボった。最近MTGアリーナというゲームアプリを見つけて、そればっかりやっていました。マジックザギャザリングというカードゲームを、ネット上で対戦して遊べるのです。それも無料でカード(紙ではないけど)がもらえるのです。小さい頃にやっていたカードゲームなので、懐かしくもあり、今やっても奥深く楽しく、カードも昔やっていた頃とはずいぶん変わっていて、あのカードとこのカードを組み合わせたら強いんじゃないか、などと考えていると、小説を書いている時間なんぞは消し飛んでしまうのでした。

     

     スケジュールは、立てていたはずで、一ヶ月半構成、一ヶ月半執筆の、三ヶ月で完成させる予定でした。が、構成が思いのほかかかって、書きはじめたのが五月の二十日の夜中、間に合わんと、これも寝床から飛び起き焦って書き出したのでした。

    構成のコツが、まだつかめていない。それで時間がずいぶんかかってしまい、やばいと思えば思うほど、現実逃避にサボってしまったようでした。

     

     はじめは、こんなものか。

     

     書きたいモチーフがあって、今回は、〈農地〉が一つ大きなモチーフ、書く際のきっかけとしてありました。『よそ者』では書けなかったモチーフなので、書きたかったのでした。

     

     あちこちの都市を引っ越してきた中学生の女主人公が、家のそばに農地の広がっているような、田舎町に越してくる。家のそばに遮断機のない踏切があって、その向こうは見渡す限り田んぼなのである。そんな〈農地〉という未知の世界から、踏切を渡ってこちら側へやって来る、農家の男の子。二人が出会って、関係を築いて行く。その関係から、〈場所=具体性〉の論理と〈社会=抽象性〉の論理のぶつかり合いや葛藤、すれ違い、またどのように共感し、理解し合うか、といった事々を描こうと思ったのですが、表向きは恋愛小説であり、構成も執筆も、そのつもりで書いていたのだけれども、一番はじめの〈農地〉のモチーフをどう組み込むかに悩んで焦って、結局むりくりねじ込んだようになってしまいました。意味づけを変えて、あるいはもっと素直な恋愛小説にすれば、上手くいったのかもしれません。

     

     十一月までにどうしようか、自分で出す本は、突き詰めて書きたいのだけれど、突き詰めようとすると主人公の設定から何から何まで考え直したくもあり、それをやっているとまた一年二年過ぎてしまうから、小説の骨格は残して、どうにか〈農地〉のモチーフをもう少し鮮明に描き出そうと、そんな風に考えています。

     

     あれこれねじ込もうと、難しく頭をひねらずに、もっと単純に素直に考えるのがいいんじゃないか、すくなくとも構成を立てる時は、そうするのがいいんじゃないか、そう反省しているところです。

     

     次は北日本文学賞という賞に応募しようかなと思っています。三十枚の短編です。八月末が締め切りなので、二ヶ月じっくり考えたい。サボり過ぎないように。

     

     構成、構成と何度も書いていたので、ついでに、参考にした本を紹介しておこうかなと思います。

     

     一番参考にして読み込んだのは、K.M.ワイランドさんの書かれた『アウトラインから書く小説祭入門』および『ストラクチャーから書く小説再入門』という二冊の本でした。

     

     『アウトライン』の方は、主にアイディアの出し方、出たアイディアを物語として秩序立てて整理する方法などについて、書かれています。プレミスという「プロットとテーマを伝える一つの文」要するに、作品の大まかな内容要約のようなものをまず書こう、それから作品のレビューも書き出す前に書いてみよう、それからシーンのリストを思いつくまま書き出そう、人物に質問項目を設けてインタビューしてみよう、雑多なアイディアを物語の流れにそって簡潔にまとめたメモを作ろう、等々、似たようなことは今までもやっていたのだろうけど、こうすれば小説の骨格がもっとはっきり見えてきますよ、確信を持って書き出せますよ、逆に言えば、これくらいやんないで書き出したら失敗しますよ、と明確に言語化してくれているので、とても心強く、頼りになる。この本に書かれてある通りに、やって行こうとしたのだが、慣れていないためか時間がかかり、アイディアを簡潔にまとめたメモを作れなかった。これは、ぜひとも慣れて行きたい。

     

     『ストラクチャー』の方は、まさしく構成について書かれた本で、三幕構成を意識しよう、プロットポイントは緊張感を絶やさないために全体の25%と75%に入れよう、また「シーン」とは何か、「シーン」は〈シーン〉部分と〈シークエル〉部分とに分れている、〈シーン〉と〈シークエル〉はさらに三つの構成要素から成り立っている云々と、かなり理論的な筆致で、理屈っぽい自分にはとても肌に合っていました。書いてある通りに、シーンの分析を、中盤あたりまではかなり綿密にやって、そのためか、前半の執筆は割合スムーズで、つっかかってもどうすればいいのか、事前に立てた構成を振り返れば必ずアイディアが思い浮かぶのでした。後半ヨレヨレになったのは、この作業が出来ていなかったから、構成がちゃんと立て切れていなかったからだ、と考えるのは、確かな実感としてあるものです。

     

     この他にもいろいろ読みあさったけれども、一番肌に合っていたのが、この二冊でした。興味があれば、のぞいてみてください。

     

     今回で、ある程度慣れたから、次回こそは、きっちりアイディアを出し、メモを作り、構成を立てて書こうと思います。楽しみです。


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